研究設備:火山を研究するということは,必ずしも屋外に出て火口周辺を調査するということだけではありません.屋外で得られる情報は極めて重要ではありますが,火山の持つほんの一面しか観察できません.例えば,あなたの体の具合がおかしいとき医者にいって問診だけで,病名を決め付けられたら信用しますか?そんなことはありませんよね.私たちは,地球のお医者さんみたいなものですから,同じような原理や装置をつかって地球内部の不思議を解き明かします.そのためには,道具が必要になってきます.本研究室では,主に化学的な手段を用いて火山に伴う様々な自然現象の解析を試みています.
Nikon
野外より採集した岩石試料は,そのままの状態ではよくわかりません.そこできわめて薄く(厚さ0.025mm)削り出した
岩石片を作製し,顕微鏡で観察します.顕微鏡も生物学などの実習で使われているものとは異なり,偏光板を用いた顕微鏡を使います.透過性のある鉱物では,光学的性質に基づいて鉱物種の識別が可能となります. 鉱物種やその化学組成からさまざまな物理的条件が解明できます.また,岩石組織に刻まれた特徴は,マグマや地殻内でおこる化学反応の進行状況を保存していることが多々あります.我々は,これらの情報を総合して,マグマの発生や変化を解析しています.MPEGに示したものは,パイロ変成作用を被った塩基性の片麻岩です.
AAA and AEA(Atomic Absorption
Analysis and Atomic Emission
Analysis)原子吸光分光分析 と原子発光分光分析
Shimazu
原理的には,励起状態にある原子が吸収する光の量を観測し,元素の存在度に換算しなおす分析機器です.アセチレンと空気が作り出す炎は,約3000℃になります.この炎の中に水溶液を噴霧し,測定を行います.この測定器では,主にアルカリ元素やアルカリ土類元素の定量分析を行っています.
ICP−AES(Inductively
Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry)
Seiko
本分析機器は,溶液状態にある試料を測定する上で汎用性の高い分析機器です.現在,同様の無機定量分析は,主にICP−MS()に移っています. 本研究室では,岩石試料を分解し,REE(Rare Earth Elements)を分離抽出したあと測定しています(横瀬・山本, 1997).
XRF (X - Ray
Fluorescence Spectrometer)
Philips 1404
岩石をそのまま測るわけには行かないので,
今から十数年前の測定器ですがまだまだ現役で働いてくれます。
本研究室では,主に以下の元素の測定に使用しています.
クリーンルーム Clean Room class
10000
設計段階で,大幅な変更を余儀なくされたため
中性フィルターやヘッパフィルターへの負担が
大きくなってしまいました.それでも,やっぱりクリーンな環境は
分析には必需品です. オールフレッシュタイプのクリーンルームでは
冷却されフィルーターによって埃が取り除かれた後の空気が室内に導入されます.
岩石の分析などは,更にその空気を吸い込んで,もう一度フィルターをかけた環境の下
作業が進行していきます.数字的には,実験室内でクラス10000で,クリーンドラフト内では
更にクラス100が実現されます. 室内の空気を循環させる一般のクリーンルームと違って
クリーンな環境下でドラフト内作業ができるメリットがあります.
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Yellow Room class 400000
きったない実験室を工夫して少しはまともになったかな?
みかん箱コンテナー,外回りは200円でも,中にある
石英製の非沸騰型蒸留水製造装置は,50万円. ゆっくりと,でも
着実に極めてピュアーな水が製造されます. 出来上がった水は,
空気と平衡にあるため,空気中の二酸化炭素が溶け込むため,弱酸性になります.
一般実験室をクリーンにするための工夫.
むかし,原子吸光分析用に使用されていた排気ダクトを
部屋へのインレットとして,両サイドにフィルターをかましました.
外気の取り入れ口には,スポット式のエヤコンを装着し,除湿および
温度コントロールをさせています.
その他
あほあほ兄弟 と そのBOSS
おいおいクリーンルームだぞ!! 掃除すればよろしいでしょうか? あほあほ兄弟様
あほあほ1号 あほあほ2号
忍術でパーチクルなど 世界平和は,俺が守る!!
一毛堕塵(って字が違うし) クリーンな環境を乱す
やつはこの私が許さない!