卒論(はじめに OR Abstruct)

山本茂 

岩石中の希土類元素(Rare Earth Element ,REE)の挙動は岩石の成因を論じる上で真に重要である。しかし、希土類元素は岩石中に極微量(ppbからppmのオーダー)にしか存在しないため定量には優れた分析法が必要である。ところで、これまでさまざまな機器分析法が開発され、岩石中の希土類元素が定量されてきた(例えば中性子放射化分析法、安定同位体希釈質量分析法、発光分光分析法など)。しかし、いずれも精度、手法、経費などに問題を抱え、希土類元素の精度のよい分析はごく限られた研究室でしか行われていないのが現状である。

 今回希土類元素を定量する手段にICP発光分析法を選び、この分析法による岩石中の希土類元素の定量を筆者の卒業論文のテーマとした。高周波によるArの誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma)を発光分光分析の励起源二用いるICP発光分析法は高感度で干渉が少なく、多数の元素を同時に定量しうるすぐれた分光分析法である。また、この分析法は手法に熟練を要さず、経費も比較的安く済む。これから類推すると、岩石中の希土類元素の定量においてICP発光分析法の役割は今後次第にその重要性を増していくものと思われる。

 ICP発光分析法では岩石試料を分析する際に、これを溶液化しなければならない。その際には酸分解法もしくはアルカリ融解法が用いられるが、この両者の分解法による希土類元素の分析値の比較はToyoda and Haraguchi(1985)で行われている。希土類元素を定量する際にICP発光分析法でしばしば問題となるのは共存元素による分光干渉である。このため岩石試料分解後、希土類元素を分離する必要性が生じる。Crock and Lichte(1982)では陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の使用による溶離操作が、Crock et al,(1986)では陽イオン交換樹脂のみの使用による溶離操作が報告されている。また、試料溶液の酸濃度の違いから生ずる物理干渉の影響や測光高さ位置、ガス流量、高周波電力などの測定条件の違いによる影響などが今井登(1986)によって報告されている。

 今回筆者はまず、Crock and Lichte(1982)とCrock et al,(1986)を追試した上で、Crock and Lichte(1982)の方法に基づき希土類元素と希土類元素以外の微量金属元素の定量を報告している田切・藤縄(1988)の検証を行なった。さらに、Crock et al,(1986)の方法をもとに、分解その他でさまざまな工夫を凝らし、実際に岩石中の希土類元素の定量を行なった。それにより良好な結果を得たのでここに報告する。

 

篠原さん卒論

Geological study of Otake volcanic rocks from eastern part of Uto peninsula, westwern Kyushu, Japan

要旨

松本(1979)は、九州中部に分布する中新世以降の火山岩類と、基盤岩類との関係から別府−島原地溝帯という名称を提唱した。この別府−島原地溝帯は、次のような4つの特徴を有している。

1)別府−九重−阿蘇にかけてはその方向を東北東−西南西、阿蘇−熊本−島原にかけてはその方向を東西に変えて伸びる。

2)地溝帯内部に低重力地域が分布する。

3)低重力地域には火山活動が見られる。

4) この地域では、中新世以降、火山活動にともない、地殻の隆起、陥没が繰り返され現在にいたる

  今回筆者が卒業研究で調査を行った宇土半島東部は、別府−島原地溝帯南縁の直上に位置する。また、本地域には更新世の火山岩類が広く分布していることが報告されている。そこで筆者は、宇土半島東部に分布する火山岩類の調査をもとに、地溝帯の形成と火山活動との因果関係を明らかにするために本卒業研究を行った。     

 

小牧香織

地質調査などで野外にでる機会のある人なら誰でも、山中で湧き水を見つけたり、川岸の露頭を観察したことがあると思います。水の力により、すっかり形を変えてしまった石を見て驚いたりもします。

 岩石を観察するとき、なるべく新鮮な面をみるように、とはよく言われますが、それだけ表面は風化の影響を受けています。

 風化には、地表の温度変化による岩石の膨張収縮、水の凍結、風、植物の根、などにより岩石が細かく砕かれる物理的風化作用と、水の溶解力により、岩石から粘土が生成される化学的風化作用の二種類があります。鍾乳洞なども、化学的風化作用の良い例でしょう。

 水は、その特異な分子構造のため、非常に大きな溶解能力をもち、岩石において弱い結合力で結び付いている元素は、水中に溶かし出されます。この水の溶解能力は、地球の物質輸送のうえでも重要な役割を果たしています。水は、海から蒸発し雲になり、雨として地上に落ちる際、大気中の二酸化炭素などを溶かし込みます。しかし、この段階では溶存成分の量は、それほど多くはありません。地面にしみこんだり、地表を流れて、この間に多くの元素を溶かし込んだ水は、最終的には海にそそぎます。海では、溶解している元素の沈殿・堆積がおこり、これらの元素は海水から除去されます。

 私達の周りには、河川水、湖水、地下水などの天然水が存在します。これらの天然水は、河川水をとってみても世界各地で、地質の違い、雨量の大小により化学組成が異なります。

 この化学組成を決定する要因としては、その起源として降水、降下物、火山活動、温鉱泉水、人間活動、岩石・土壌があげられます。なかでも、風化による岩石からの元素の溶出は、水質に反映されると思われますが、これまでの調査では、あまり確認されませんでした。

 岩石が、風化されるとき、水の中にNa+,K,Ca2+,Mg2+などの陽イオンが溶出されて、岩石は、粘土鉱物へと変質します。このとき水の中に溶けている二酸化炭素は、炭酸水素イオンへと変化します。

 北野(1967)は、岩石風化がすすむほど、その地域の天然水のHCO32-又は、Ca2++Mg2+の濃度が高くなることを指摘し、これを用いることにより山崩れの予知が可能であることを示しています。

 また、永井(1983)は熊本平野の地下水を、水質のちがいから分類することにより、その流路を推定しています。

 火山活動、温鉱泉水、人間活動の無視できる地域では、天然水の化学組成は、その集水域における地質を反映しています。これを明らかにすることが本調査の目的です。そのためには、前述の北野(1967)とは逆に、岩石風化のあまり進んでいない地域での観測が良いのではないかと判断しました。

 このための適切な地域として、本調査では緑川中流域を対象とします。この地域は、熊本大学の諸先輩による詳しい地質調査がすでになされており、さらに、上述の岩石以外の要因が無視できる地域と考えます。また、雨水が河川水に与える直接的、間接的な影響を観測するため、白川の河川水と雨水も、酸素同位体を用いて調査しました。

 

梁島達也

ここ日本列島周辺は、プレートテクトニクスを考える上で、大変興味深い地域である。まず、現在の日本列島形成に関する大きなテクトニックな動きといったものを考えてみる。OTOFUJIらは、中期中新世(約15Ma前後)に、日本海の形成に伴って、日本列島が回転運動を行なったと主張している。(OTOFUJI et al,1986)

 鎌田らは、Seno(1970)によって主張された後期中新世(約6Ma前後)頃にフィリピン海プレートの沈み込みの方向が西方転換をしたということも、合わせて報告している。(鎌田、他1988)

 古川は、後期中新世 (約6Ma前後)頃から、沖縄トラフが拡大を始めた、ということを主張している。(古川、1991)

 これらテクトニックな動希土類元素いったものに対して、ここ九州地域、特に有明海周辺地域では、先に挙げたものすべてに関与していることが注目される。そこで、この有明海周辺地域を局地的に見ると、八代海での直線的な海岸線の作り、さらには橘湾周辺と天草下島北部周辺のその海岸線の類似などが挙げられる。これらの事から、筆者は、この有明海周辺地域において、ブロックローテーションというものがおこったのではないかということを考えた。そこで、このブロックローテーションというものを検討する上で最も有効である岩石の残留磁化方向を測定するという手法を用いての古地磁気学の研究を行なった。対象とする岩石は、有明海周辺地域において、比較的広い地域に分布し、年代も欠如なく追えて、しかもこの古地磁気研究を行なう上で、有効な測定結果が得られる火山岩類とした。また対象とする岩石の年代値については、前述したようなテクトニックな動きから考えて、鮮新世から更新世(特に2Ma前後)にかけての時期とした。今回、以上の理由から有明海周辺地域に分布する火山岩類についての古地磁気研究を行なった結果、島原半島及び熊本市西部にあたる金峰山周辺地域では、約2Ma以降に15度前後の時計回りの方向の回転運動が起こったことが明らかになったためここに報告する。

 

卒論(杉山 直史)

北中部九州では,後期新生代の火山岩類および火山性堆積物が広く分布している.これらの地域に分布する火山岩類は,松本(1963,1987)により6Ma以降の火山岩類を大陸系の火山活動による噴出物,それらを不整合に覆っている2Ma以降の火山岩類を豊肥火山岩類の火山噴出物,それらを基盤として現在に至る火山活動の噴出物について,これを山陰系火山活動として分類をしている.

しかし,中田・鎌田(1988)は南島原に分布する玄武岩の性質がホットスポットタイプと類似していることを報告している.そして,豊肥火山地域(Kamata, 1989)の火山岩類と島原地域の火山岩類の特徴は一致しないことを報告している.このことは別府―島原地溝(松本,1979)と言われる構造のもとで噴出したとして一括されていた北中部九州の火山岩類が,島原地域と豊肥火山地域とでは異なった構造のもとで噴出したことを示している.さらに,豊肥火山地域の火成活動は,フィリピン海プレートの北中部九州への沈み込みと密接に関係があると考えられている(Kamata, 1989; 中田・鎌田,1988).従来の研究では,フィリピン海プレートの北西方向への沈み込み開始時期は12〜6Maまで様々な報告がある.鎌田・小玉(1993)では,豊肥火山岩類の活動開始時期に着目し,沈み込みは6Maに始まったと結論した.

このように6Ma以降現在に至る北中部九州の火成活動及びテクトニクスは極めて複雑である.しかし,北中部九州の火山岩類に関する研究はその複雑さの細部に検討を加えるほど分解能は上がっていない.そこで,今回私は本地域において十分な調査がなされていない諫早南東部地域を調査地域に選んだ.本調査地域は松本(1963)により豊肥火山活動の噴出物として一括されているにとどまっている.よって,本地域の詳細な調査を行い火山岩類の層序を確立し,この地域の火成活動を解明すると共に分布する火山岩類の岩石記載及び全岩化学組成の特徴を明らかにすることを目的とする.

 

菊池さん卒論

Geological history of Yahazu volcano in Minamata city , Kumamoto, western Kyushu, Japan

要旨

九州地方には新生代の火山岩類が広範囲にわたって分布している。そして現在の九州地方には霧島火山帯に属する島弧−海溝系の火山が九州の中央線上に、別府−島原地溝(松本、1979)に属するリフト系の火山が九州北部に多く分布している。このような第四紀の火山の他に第三紀の火山岩類が九州北西部や九州南西部に分布しているが、これらを形成した火成活動がどのようなテクトニクスに関連して行なわれたのかというようなことの詳細はあまり分かっていない。

そこで、後期新生代の火山岩の分布する肥薩地域に属する矢筈岳火山について、その活動史を解明してそれがどのようなテクトニクスに関連しておこなわれたのかを考察することを目的とした研究を行うことにした。

本研究の調査地である矢筈岳は、山本(1960)によって「肥薩火山区」と定義されている東西約50km、南北約20kmのほぼ東西に長い帯状の地域に属しており、この地域は中生層および古生層を基盤とし、主として輝石安山岩類よりなる第三紀の火山岩類で構成されている。そして、長谷他(1984)によりこの地域の火山岩類は、鮮新世−更新世前期の活動によるものであるということが明らかになっている。また、山本(1960)によりこの地域の火山岩類の化学組成の広域的変化の特徴として、西側の方が東側よりもK2O量、K2O/Na2Oの比が著しく低いということが報告されている。しかし、詳しい火山活動やテクトニクスを報告しているものはない。ゆえに、本地域に分布している火山岩類について地質調査、岩石記載、全岩化学分析を行い、その岩石的な特徴を明らかにしたのでここに報告する。

 

 

島田さん 卒論

Origin of magmatic inclusion from Kimbo volcano, western Kyushu, Japan

 

はじめに

火山岩中には一般に,様々な形状・サイズ・色調・組織を持ち,異なる鉱物組成,および化学組成を有する,母岩とは異質の物質が包有される.それらに対しては,現在まで捕獲岩・ゼノリス(xenolith)(Sollas, 1894; Goodspeed, 1947),包有岩・インクルージョン(inclusion),enclave(Lacoix, 1890; Didier, 1973)などの用語が用いられている.

アメリカ合衆国・イギリスなどで,火成岩中に包有される不均質部の異質岩片に対して使用されているxenolithまたはinclusionに対し,Didier (1973) は,フランスで使用されているenclaveを用いることを提唱し,enclaveに関する成因的な分類を行っている.また,enclaveを好んで使用している記載もある(例えばVernon, 1983, 1984: Barnes, 1983, 1987: Holden et al., 1987: Dorais et al., 1990)が,enclaveという用語はフランス以外ではあまり用いられていない.

また,火山岩中に存在する組織上の不均質部で,火山岩的な産状を呈する捕獲岩は多くの場合,母岩と同一の分化系に属するマグマの固結物(例えばLacroix, 1890)として取り扱われており,Autolith(Holland, 1900)や,Cognate inclusion(Harker, 1900)およびMafic or Basic inclusions(Bacon, 1986; Koyaguchi, 1986a)などの用語も使用されている.しかし,これらの用語にはすでに用語自体に成因的な意味合いを含んでいるため,火山岩的な産状を呈する捕獲岩に対しての,成因的な意味を含まない単なる記載用語として,今回の研究では “Magmatic Inclusion” を使用する.

筆者は,火山岩中に産するMagmatic Inclusionの生成プロセスを解明する目的で,金峰火山に産出するMagmatic Inclusionを対象として岩石学的,地球化学的考察を行った.金峰火山の荒尾山と石神山の両溶岩円頂丘には,捕獲岩として塩基性変成岩類・片麻岩類・角閃岩類・花崗岩類・斑レイ岩類などが産出する(Karakida, 1963; Takai et al., 1984)が,野外観察の結果,荒尾山と石神山においてはMagmatic Inclusionの出現頻度が他の捕獲岩類に比べて高いことから,金峰火山を調査地域として選定した.

筆者は金峰火山で採集したMagmatic Inclusionの肉眼的観察,鏡下観察,主成分元素分析,希土類元素分析を行うことでMagmatic Inclusionの生成プロセスを考察した.

その結果,金峰火山に産出するMagmatic Inclusionは従来いわれていたように,母岩と同一の分化系に属するマグマの固結物として生成されるのではなく,地殻物質の溶融によって形成された可能性も考えられるのでここに報告する.

 

井上さん 卒論

Petrological and geochemical study of Iwato pyroclastic deposits

 

はじめに

私たちの住む日本列島には,島弧系の火山が広く分布している.この九州は火の国と呼ばれるほどたくさんの火山がある.九州の阿蘇,加久藤,姶良,阿多,鬼界,等の火山では,大規模な爆発及び噴火等の火山活動によりカルデラを形成している.このような火山活動で形成されたカルデラの中には,直径数十kmにも及ぶ大規模カルデラがある.これらのカルデラに関する研究としては,荒牧(1969a)などがある.

今回調査を行った鹿児島県国分市周辺には,錦江湾として現在知られている直径約20kmの姶良カルデラがある(Matumoto, 1943).この姶良カルデラは,爆裂火口であり陥没したじょうご型のカルデラである(荒牧,1983).またこのカルデラは今から16000年前に,現在の形態になったと考えられている.姶良カルデラ形成に関する主な噴出物としては,大隈降下軽石堆積物,妻屋火砕流堆積物,そして姶良カルデラ形成の一番の原因となった入戸火砕流堆積物がある.しかし,姶良カルデラが形成される以前にも火山活動は行われていた.その時の噴出物は,岩戸火砕流堆積物であり今回の研究対象となる火砕流堆積物である.

本調査地域である国分地域には,上記の姶良カルデラ形成噴出物と形成以前の噴出物,そして北方の加久藤カルデラからの噴出物と南方の阿多カルデラからの噴出物が堆積している.それらの堆積物について本調査地域では,多くの研究者により研究がなされている.(沢村,1956;Aramaki, 1984など).

これらの研究の中で荒牧(1969b)は,国分地域の地質に関して火山層序に基づき堆積物の層序わけを行った.この時,研究者により呼び名が変化し統一されていなかった岩戸火砕流堆積物を,岩戸火砕流と統一し命名した.また,この後の津久井・荒牧(1990)では,姶良カルデラ形成活動を総称して“姶良火砕噴火”と呼び,姶良カルデラ形成過程の噴出物(大隈降下軽石堆積物〜入戸火砕流堆積物)の本質物について地球化学的な研究をおこなった.この姶良カルデラ形成時の噴出物は,100km3以上にもおよぶ.また最終的な大規模火砕流である入戸火砕流堆積物の降下火砕物としては,広域テフラとして知られているAT火山灰がある.これらの大量の噴出物に関する地球化学的な研究で,姶良カルデラを形成した活動による噴出物は,非常に均質であるということが明らかになった.これにより二人は,姶良カルデラのマグマ溜まりが均質なマグマで満たされていたと言う事を推定した.このように,姶良カルデラを形成した活動による噴出物が非常に均質であるという事実より,荒牧(1969b)や津久井・荒牧(1990)考え方では,本質岩片として軽石とスコリアを持つ岩戸火砕流は一連の活動と別扱いされていた.

ところが,Nagaoka (1988) は,姶良カルデラ形成過程に岩戸火砕流を加え一連の活動の一部としてとらえた.Nagaoka (1988) は,この岩戸火砕流の火山活動を,大隈降下軽石堆積物〜入戸火砕流堆積物までの大規模火砕流ステージの前段階にあたるプリニアンステージとして位置付をおこなった.また,詳細な火山層序に基づき今まで層序区分の示されていなかった岩戸火砕流について,二枚のフローユニットより成ることを示した.

以上のように,姶良カルデラ形成活動についての研究は多くなされている.しかし,それ以前活動である岩戸火砕流に関しては,化学組成や細かな層序分けに関してのあまり詳細な研究がなされていない.

よって今回は,未だ詳細な研究がなされていなかった岩戸火砕流についての

1:詳細な層序わけ

2:岩石学的・地球化学的な特徴づけ

を行うことを目的とした.この目的は,Nagaoka (1988) の立場にたって岩戸火砕流が会いらカルデラ形成活動の一部であるとして,後の姶良火砕噴火活動の均質な噴出物にどのようにつながるのかを知るためにも必要な研究である.

よって今回筆者は,国分地域で岩戸火砕流の良く分布する4ルートで柱状図を作成し,火砕流堆積物の層序わけを行った.またそのルートに沿ってサンプリングを行ない,そ試料の薄片観察および蛍光X線分析装置による主成分元素の測定を行ない,岩戸火砕流の岩石学的・地球化学的な検討を行なった.また考察として,岩戸火砕流の化学組成と,国分地域に分布する他の火砕流のすでに報告されている化学組成の値を比較した.

 

 

安松さん 卒論

Geochemical character of Osuzu-yama welded tuff, eastern Kyushu, Japan

 

はじめに

柴田(1978)は,西南日本外帯には中期中新世に活動した花崗岩質岩類が分布していると報告している.荒巻(1965),吉田(1970)は,それらの花崗岩質岩類の一員である紀伊半島の熊野酸性岩体,四国の石槌山複合岩体は火砕流を伴う火山噴出物に花崗岩体が貫入していると報告している.吉田ほか(1993)は,石槌山のコールドロン形成と中新世のテクトニクスとの関係を報告している.中田(1979)は,同一の岩体において火砕流を伴う火山噴出物に花崗岩体が貫入していることについて,珪長質マグマの火山深成活動の二面性を示すと報告している.高橋(1981)は,中期中新世に活動した花崗岩質岩類の分布を特異な島弧火山活動帯と位置ずけている.

このようにこれらの花崗岩質岩類は現在の火山フロントよりも前弧側に位置し,珪長質マグマの火山深成活動の二面性という特異な火成活動を示す.高橋(1986)は日本海拡大前のテクトニクスにこの火成活動は関係していると報告しまた,この火成活動におけるマグマの成因論として,中田・高橋(1979)は苦鉄質マグマの大陸性地殻上部物質の同化作用として

1:大陸性地殻上部物質との反応程度の差

2:マグマ通路となる大陸性地殻上部物質の組成の差

としている.

また,岡本ほか(1987)はこのモデルについて,自らのモデルと比較検討を行っている.さらに,中田・岡本(1984)はSr同位体組成から西南日本外帯I-タイプ,S-タイプ珪長質マグマの成因モデルについて論じている.

尾鈴山酸性岩体も西南日本外帯に分布する花崗岩質岩類の一員である.中田(1977, 1978)は,この岩体が火砕流を伴う火山噴出物に花崗岩が貫入していると報告し,中田(1977, 1979)は,尾鈴山酸性岩のマグマの化学組成を求め,さらに上部ほど珪長質である “Zoned Magma Chamber” が存在したとしている.また,中田(1980)は本酸性岩体はS-タイプ珪長質火成岩でありその中にはI-タイプ火成岩起源のゼノリスが存在すると報告している.巖谷(1990)は,尾鈴山酸性岩類の石英の転移温度を調べている.さらに,巖谷・三村(1992)は,尾鈴山酸性岩体のK–Arおよびフィッション・トラック年代測定を行っている.

しかしながら,尾鈴山酸性岩体の火山噴出物は,貫入岩体からの熱の影響を受けて再結晶化しているにも関わらず火山噴出物の再結晶化を考慮しての岩石学的研究はなされていない.

したがって,火砕流堆積物が貫入岩体から受けた熱によってどのように組成が変化したのかを解明することを目的とした.

 

 

卒論(中田 里美)

南九州川内地域に産する川内玄武岩類の薄片観察,全岩化学組成の測定をおこなった.川内玄武岩類は,顕微鏡観察の結果,カンラン石単斜輝石玄武岩,カンラン石玄武岩,無斑晶質玄武岩である.SiO2 - FeO*/MgO図,Na2O + K2O – SiO2図において,川内玄武岩の多くはHABの領域にプロットされるが,一部の玄武岩類はAKとLTHの領域にプロットされる.SiO2 - FeO*/MgO図,FeO* - FeO*/MgO図において,HABは,CA系列とTH系列の分化を行うものが見られる.これらの川内玄武岩類の主成分元素に見られる違いは,鉱物組み合わせとも対応しており,AKはカンラン石玄武岩,HABは単斜輝石カンラン石玄武岩,無斑晶質玄武岩,LTHはカンラン石単斜輝石玄武岩(斑晶として斜長石を含まない)である.Al2O3/TiO2 – TiO2図,TiO2 – MnO – P2O5図において,CA系列のHABは島弧玄武岩の特徴を示すが,AKは海洋島アルカリ玄武岩の特徴を示し,TH系列のHABはMORBの特徴を示す.このように,川内玄武岩は島弧海溝系に加えて,それ以外のテクトニックセッティングの特徴を示す玄武岩類も存在している.REEパターンにおいて,AKはTH系列のHABに比べ,部分溶融程度が低いマグマから生じていることを示しており,Ti/Zr – Zr図において,これらの玄武岩類が島弧玄武岩ではなく,MORBソースからの部分溶融によって生じた背弧海盆玄武岩であることを示している.スパイダーダイアグラムでは,TH系列とCA系列のHABに違いはみられず,両方とも島弧玄武岩の特徴を示す.しかし,その他の玄武岩類は島弧玄武岩以外の特徴を示し,AKは海洋島玄武岩の特徴,LTHは海洋島玄武岩と島弧玄武岩の中間的な特徴をそれぞれ示す.Nb/Zr – Ba/Zr図において,川内玄武岩類と沖縄トラフとの関連を考察した結果,CA系列のHABは,琉球系島弧玄武岩と類似の組成を示す.これに対して,TH系列のHABは島弧玄武岩に比べ低いBa/Zr比を持ち,沖縄トラフの玄武岩に近い特徴を示す.また,AKの玄武岩類はプレート内アルカリ玄武岩と類似の組成を示す.

以上の考察結果から,川内玄武岩類のマグマとして,島弧玄武岩のほかに,背弧海盆玄武岩,プレート内アルカリ玄武岩の3種類の本源マグマの存在が必要であると考えられる.川内玄武岩類の年代値から,この3種類のマグマは同時期に同じマントル内に存在していなければならない.したがって,川内玄武岩類を生じた2Ma前後には,川内地域下のマントルに不均一性が存在したと考えられる.このマントルの不均一性は2Ma前後に活動を始めた新期沖縄トラフの拡大に伴うマントル物質の上昇によるマントル混合が理由であると考えられる.

 

卒論(村上 隆義)

Volcanic rocks of Aso volcano are characteristic of high K2O concentration though it is located on a volcanic front (for example, Ono and Watanabe, 1985).  This case conflicts with a trend that an alkali concentration goes up as aback arc side in a general island arc.  A microscope observation and major, trace elementary analysis were carried out about volcanic rocks of Aso central cones and Sakurajima volcano, to elucidate why volcanic rocks of high K2O concentration appeared on the front.

Sieve texture that shows magma mixing was found in a plagioclase phenocryst at basalt 〜 a part of dacite.  Furthermore, it was also observed that two kinds of groundmass were mixing.  As a result of major elementary analysis, volcanic rocks of Aso central cones shows wide composition width (SiO2=50〜71%) and shows bimodal character that back and forth 70% with around SiO2=53%.  Moreover, a trend of straight line was shown in the relation of Fe2O3 – SiO2, MgO – SiO2, CaO – SiO2, Na2O –SiO2, and K2O – SiO2.  Rhyolite (SiO2=71%) is classified into shoshonite series from a characteristic of an alkali element.  It is generally known that volcanic rocks of shoshonite series occur in continental area of the thick crust.  A trend like a straight line was shown in many cases, as a result that it examined about a characteristic of LIL element and HFS element that are an incompatible element.  It is K/Rb=251.0〜274.4, K/Nb=2584.1〜3283.7, Nb/Zr=0.043〜0.060.  The change of a sharp pattern was admitted toward rhyolitic rocks (SiO2=71%) from basaltic rocks (SiO2=50〜53%) in a spider diagram (N-MORB with normalization); (1) The absolute quantity of LIL element (Rb, Ba, K) increases. (2) The negative depression related to Nb disappears. (3) P and Ti become lacking and Zr and Y increase.  There are not difference in spider pattern of basaltic rocks of Aso central cones, Kirishima and Satsuma – Iojima.

An existing view with regard to a high K2O concentration of Aso volcanic rocks were crystal fractionation or low partial melting (Nakata, 1986) and contamination with crust matter (Kurasawa, 1987).  However, as it become clear with this study, a spider pattern of Aso central cones does not show monotonous parallel transfer with an increase of SiO2.  This fact is not able to explain generation mechanism of volcanic rocks of central cones in simple fractional crystallization and an extent of partial melting.  The process that is able to explain spider diagram to most reasonable is the mixing by basaltic magma and rhyolitic magma.  This case does not contradict with a microscope observation.  The high K2O concentration of Aso volcano is able to request a cause to felsic magma that is end member of magma mixing.  Therefore, it is concluded that the high K2O component of Aso volcanic rocks reflects the composition of felsic magma that is rich abnormally in K2O.

 

田口さん卒論

雲仙火山を構成する火山岩の地球化学的特徴―雲仙火山岩類は、島弧火山岩orリフト火山岩?―

要旨

雲仙火山を構成している火山岩類とそれに包有されているBasic inclusion, そして雲仙火山の基盤を構成している火山岩を採取し、主成分元素および微量成分元素の分析をおこなった。雲仙火山を構成している火山岩類は、主な斑晶鉱物として角閃石と斜長石を有する安山岩〜デイサイト(SiO2=58-67%)を主体としている。また、それらの溶岩にはしばしばBasic inclusionが含有されている。一方、雲仙火山の基盤岩類は、鮮新世〜更新世前期の火山岩類からなる。基盤の安山岩と雲仙火山を構成するデイサイトは、カルクアルカリ岩系列の分化trendを示した。Harker diagram上でこれらの火山岩類は、多くの元素においてtrendを形成した。一方、微量元素のvariation diagram上で、基盤の玄武岩、安山岩、雲仙火山を構成するデイサイトとBasic inclusionは、それぞれ独立したクラスタ−を示した。玄武岩類、Basic inclusionとHostのデイサイトとの間には、仮想的なmixing trendは形成されなかった。基盤の安山岩とHostのデイサイトは、Spider diagram上でNbとTiにdepletionが認められた。Nb/Nb*(KとSrのSpider diagram上の値から推定されるNbの値をNb*と定義)は、SiO2の値に関わりなく一定の値を示した。

島弧火山岩の化学的特徴を生み出す機構として、一般的には沈み込むスラブからの脱水反応に伴うLIL元素の添加が考えられている。しかし、沈み込むPhilippine Sea Plateが現存しないことから、Island arc signatureは、マントル上部か下部地殻のどちらかに保存されていると考えられる。マントル上部の場合、沈み込むスラブが雲仙火山の直下に存在していた頃、汚染されていたマントルが化石として残り、OIBタイプの玄武岩質マグマの熱によって容かされたものが上昇し、雲仙火山を形成したと考えられる。もう一つは、下部地殻にIsland arc signatureが保存されており、マントルから上昇してきたOIBタイプの玄武岩によって融解したとも考えられる。上記2つの可能性があるが、どちらであるかは今のところ限定できない。しかしながら、島弧火山岩の持つIsland arc signatureに沈み込むスラブが直接関係しなくともよいことがうかがわれる。

 

安原正博(はじめに)

島弧−海溝系の火山岩にみられる化学的特徴のひとつに,カリウムなどのアルカリ含有量が火山フロント側から背弧側に向かって増加する,という特徴がある。この特徴はTomita(1935)が最初に指摘し,その後もKuno(1959)やSugimura(1961)などにより繰り返し示されてきた。このアルカリ含有量変化は,マグマの分離深度の違いに関連した部分溶融程度が背弧ほど低いためであると一般的に考えられている(例えば,Miyashiro,1974; 巽,1995)。このような一般的なアルカリ含有量変化を示すマグマの成因に関して,いくつかのモデルが提案されている(例えば,Jakes and White,1972; Miyashiro,1974; Ui and Aramaki,1978; Meen,1987; 中川 他,1988; 巽,1995)。島弧−海溝系において島弧横断方向に系統的なアルカリ含有量の変化があることは,一般的によく知られた事実である。ところが,火山フロント上に高いアルカリ含有量を示す火山地域が,いくつか報告されている(例えば,アリューシャン弧,バヌアツ弧)。西南日本弧にある阿蘇カルデラもその一つである。

阿蘇カルデラについての地球化学的研究で高いカリウム含有量を示す報告はこれまで多数ある(例えば,山口,1938; 本間・迎,1938; Matsumoto,1963; 小野・渡辺,1985; 中田,1986; 中田,1993)。阿蘇火山について,高いカリウム含有量を持つ火山岩類の成因に関するモデルが提案されている。中田 (1986)は,この阿蘇カルデラの高いカリウム含有量を初生マグマが高圧条件下で結晶分別作用を強く受けた,あるいは,部分溶融の程度が低かったと提案し,倉沢(1987)は,Sr同位対比の変化から,地殻物質との混染作用を考え,高いカリウム成分は地殻物質に由来すると提案している。しかし,阿蘇カルデラを形成した阿蘇火砕流についての決定的な成因のモデルは提案されていない。また,阿蘇火砕流堆積物の詳しい化学的特徴も報告されていない。本研究の目的は,阿蘇火砕流堆積物の化学的特徴を明らかにし,火山フロント上に出現したアルカリに富む火山活動を解明することである。阿蘇火砕流堆積物の化学的特徴について考察を行った。

 

中村 靖彦(はじめに)

The origin of the magma formed Ata caldera, south Kyushu, Japan

カルデラを形成するような流紋岩類とバソリスを形成するような花崗岩類は,どちらも大規模珪長質マグマの固結物であり,それらの違いは固結する場所に基づくと考えられている.その大規模珪長質マグマの成因としては,これまで,(1) 玄武岩質マグマの結晶分化作用 (Presnall and Bateman, 1973), (2) 玄武岩質マグマの同化分別結晶作用 (DePaolo, 1981; Reiners et al., 1995; Cribb and Barton, 1996), (3) 地殻の部分融解(Brown, 1977) などが考えられてきた.現在では,大規模珪長質マグマは地殻の部分融解によって生成されると広く考えられている.そのため,大規模珪長質マグマは,地殻の化学的分層過程において,重要な役割を果たすと考えられている.

南九州には,大規模珪長質マグマが噴出したカルデラが,多数存在している.その一つである阿多カルデラは,大規模珪長質マグマの生成機構と地殻の化学的分層過程に関する情報を入手することが可能であると期待される.

その理由をここで三点述べる.第一に,流紋岩類,花崗岩類および,それらの起源となる地殻の三者がそろっていることである.流紋岩類には阿多カルデラの火山岩類があたり,花崗岩類には14Maの固化年代を持つ外帯花崗岩類,地殻には白亜紀から古第三紀のアクリーショナリープリズムと考えられる四万十累層群があたる.第二に,阿多カルデラの火山活動と外帯花崗岩類の生成は,時間的空間的に近接しているため,それらは,同じ地殻の進化過程の中で起こったものと考えられることである.第三に,阿多カルデラでは,他のカルデラと比べ基盤が良く露出しているため,おもな基盤岩類を四万十累層群と外帯花崗岩類の二つだけに限定できることである.主な地殻の材料として,他の要素を考慮する必要がないため,大規模珪長質マグマの形成機構と地殻の分層過程を考察する上で,都合が良い.

これまで阿多カルデラに関する研究は,地質学的,火山層序学的な研究は荒牧・宇井 (1966), Ui (1971), Nagaoka (1988) などによって為され,火山噴出物の層序が確立されている.また,阿多カルデラを形成したマグマの起源に関しては,Ui (1971) が,主成分元素の化学組成から,阿多カルデラを形成したマグマは塩基性から中間組成の物質の部分融解で生じた可能性が高い,と指摘している.しかし,微量成分元素に関しては全く報告が為されていないため,阿多カルデラを形成したマグマに関する明確な見解はまだ得られていない.

そこで,本研究では,地球化学的データがきわめて不足している阿多カルデラの火山岩類についてサンプリングおよび化学分析を行い,阿多カルデラの火山岩類の微量成分元素を含む地球化学的特徴を明らかにした.そして,阿多カルデラと外帯花崗岩類および四万十累層群の化学的特徴を比較し,三者の成因的な関係を考察した.

 

 

松井剛(abstract

鬼界カルデラを形成したマグマの地球化学的特徴

 

 Kikai caldera which is one of the four large calderas in Kyushu is divided into pre-caldera stage, caldera formation, post-caldera stage. In this study, I have been studied the volcanic rocks from land part of Kikai caldera. I sampled the volcanic rocks followed by geological successions after Ono et al.(1982).

41 samples are collected from Io-jima and Take-shima. This 41 samples are 15 lavas, 1 obsidians, 9 pumices, 3 scorias, 4 volcanic ashes, 4 lithic fragments 3 explosion breccias 2 welded tuffs. These rocks are described in texture by Polarizing microscope and analyzed them by X-ray fluorescence analysis.

 I made it clear that the volcanic rocks of Kikai caldera shows bimodal character, one is basalt-andesite(SiO2=5057%), the other is decite-rhyolite (SiO2=6872%) and they don’t show middle composition. And I found their magma series followed by Kuno (1966) are divided into HAB(high-alumina basalt seris) and TH(tholeiitic). Therfore I doubted the theory : the magma of Kikai caldera was derived from one parental magma, and rhyolitic magma is derived from basaltic magma (Ujike et al., 1986).

 To make it more clearly I examined the action of incompatible element: LIL element (K, Rb, Ba), HFS element (Nb, Zr). I examined the relation of LiL vs LiL, HFS vs HFS, LI vs HFS and their ratio vs SiO2 wt.%. Owing to their examination, each of them have their one straight trend which are about K/Rb=333, Zr/Nb=2.3, Zr/Nb=35, Ba/Nb=75, but the relation of their ratios vs SiO2 wt.% don’t show one rate , for example Zr/Rb vs SiO2 wt.% shows 4 different rate, Zr/Nb vs SiO2 wt.% shows 3 different rate. Therefore, I could deny the theory that the magma of Kikai caldera was derived from one parental magma, rhyolitic magma was derived from basaltic magma and fractional crystallization, so I could guess at least 2 parental magmas exist and they act by their own effort in Kikai caldera.

 To examine the dependence by time of magma conposition , I made the figure of the relation between chronological order of eruption and SiO2 wt.%. Eruptive rocks have two separate straight lines, one is basaltic and the other is rhyolitic. The conposition of rhyolitic rocks doesn’t change largely by time: SiO2 wt.%=70.6±1.27(1σ), and it is limited very narrow range through long history of eruption. Therefore the eruption occures depended by one single magma source and which is not derived from mutual magma  action by basaltic magama and rhyolitic one. Especially the conposition of rhyolitic magma is unchangeable through volcanic action, so I think there is no time between occurrence and eruption. That is to say , I think rhyolitic magma was independent parental magma.

 I couldn’t expect the time of next eruption because there are few information of chronological order . But I think current volcanic stage is similar to Pre-caldera stage judged by the similarity of eruption type.

 

田中哲郎(はじめに)

蛍光X線分析法による、SおよびClの精密分析